呼吸療法認定士

呼吸療法認定士への道 ~合格後編~

お爺CE

今回は呼吸療法認定士に合格した後の話じゃ

みなさん、試験お疲れさまでした。

この記事をご覧になっているということは、合格通知という名のクリスマスプレゼントを受け取った方か、受験前で資格のイメージがない方が多いと思います。

今回は、合格後で変わった業務やメリット・デメリットについて書いていこうと思います。

合格後のメリット

合格後のメリットは色々ありますが、資格を持っているだけで周囲から一目置かれます。

技士長で持っていない人もいるので、頼られることも多くなると思います。

RSTに参加できる

勤務先によってはRSTへの参加を要請されることもあると思います。

RSTとは(Respiratory-care Support-Team:RST)呼吸ケアチームという意味です。

基本的には、人工呼吸器を装着した患者に対して医師・看護師・臨床工学技士・理学療法士など多職種が集まり、それぞれの専門性を活かしたチーム医療を施します。

え?チーム医療なんて今どき普通では?と思うかもしれませんが、RSTがあったほうが良い理由は患者に最善の医療を提供するのと、です

2010年の診療報酬改定で、呼吸ケアチーム加算が診療報酬として算定できるようになりました。つまりRSTとして活動していれば病院は儲けることができるのです。

ただ、加算の算定条件として少し厳しい条件があり臨床工学技士では「人工呼吸器等の保守点検の経験を3年以上有する専任の臨床工学技士」となります。

RSTに参加できれば、絶対に技士として成長するはずじゃ

資格手当が発生する

私が勤務した病院ではもらったことないですが、呼吸療法認定士として資格手当が発生する病院もあります。 特に前述のRSTがある病院では資格手当が発生する可能性があります。

資格手当の額もピンキリだと思いますが、5,000~10,000円/月と仮定した場合、

年間60,000~120,000円になります。

それに対して取得時の費用は、

講習会20,000~30,000円、受験料10,000円、認定料3,000円、その他のポイント稼ぎや宿泊交通費を計算しても100,000円まではいかないと思います。

つまり、最大2年頑張れば「取得費用<資格手当」となり元は取れるのです。

勤務先負担で資格取得していれば、本人負担0円で収入増加じゃ

今の時代、収入を上げるのはなかなか困難なので資格も取れて収入増加できるというのはかなりオイシイと思います。

モテる可能性がある

私は呼吸療法認定士を持っているので、勤務先の病院では新人NsやCEに呼吸器の説明を担当しています。過去にはこのようなことがありました。

~新人Ns呼吸器勉強会にて~
お爺CE 「ここまでの説明でわからないところはありますか?」
新人Ns 「…」
お爺CE 「ではこれで呼吸器勉強会を終了します。」
~片付け中~
若い男性CE 「お爺CEさん、さっきNsの一人がボソッと言っていたんですけど、何がわからないか、わからないって言ってましたよ。現場で困りませんかね?」
お爺CE 「考え方を変えてみるんじゃ。現場で困ってるNsを颯爽と助けてやればモテるよ?」
若い男性CE 「…!俺、頑張ります!」
お爺CE 「若いのぅ…」

まず私は自分の説明の仕方と進め方を猛省しました。当時の皆様、本当に申し訳ございません。この場を借りて謝罪いたします。

新人NsやCEに対して呼吸器の勉強会を開催していますが、苦手意識がある人が多かったです。やはり看護学校や養成校で習ってきていても実物を目の前にすると戸惑うみたいです。

特に若い女性Nsは呼吸器が苦手という印象があります。もちろん得意な方もいましたが、呼吸器の装着だけでNsステーションはアタフタして自分が担当にならないことを祈る方もいました。

そんな中で呼吸器を装着して、起こりえるアラームの対処法や患者観察のポイントを教え、医師との連携などをスムーズに行うと羨望の眼差しで見られていました。

女性の技士などは、それがきっかけで病棟のNsと仲良くなっている方もいました。

若い男の技士などは全力で「自分が装着に行きます!」と言っとったわい

あの時の眼はギラついてて、少し怖かったわい…

合格後のデメリット

合格後のデメリットなんてあるの?と思われるかもしれませんが、私が経験したデメリットを紹介したいと思います。

年長者は言うことを聞かない

これが一番困ったことなのですが、女性の、特に年配の看護師には話を聞いてもらえないことが多かったです。


私が呼吸療法認定士を取得したときですが、看護師が患者の痰吸引をしていました。そのやり方が現在では推奨されていない方法だったので指摘すると、「こうしないと痰が取れた気がしないのよ!」と逆ギレされました。


年配看護師からしたら自分の子供のような年齢の若者から、今までのやり方が間違っていると指摘されたら、良い気分はしないしプライドが傷ついたのだと思います。

ただ、こちらも患者のために引き下がるわけにはいかんのじゃ


このような“お局”的な看護師は往々にして同僚看護師と仲が悪く、師長などの役職には信頼がなく就けていません。そして自分の立場が悪いので師長という役職者の言うことは素直に聞きます。


そこで師長から注意をしてもらったり、勉強会を開いて正しいやり方を師長から教えることで看護師が徹底してくれるようになります。

更新の必要がある

呼吸療法認定士は5年で更新する必要があり、必要ポイント50点を学会参加や発表で稼ぐ必要があります。資格を維持し続けるのにもお金がかかるのがネックです。

ただ、呼吸療法認定士は他の認定資格と比べて、比較的更新が容易な部類だと思います。

私は透析技術認定士の資格も持っていますが、更新に必要ポイントが50点と呼吸療法認定士と同じです。

しかし、1回の学会・セミナー参加で得られるポイントはまるで違います。

・呼吸療法認定士学会・セミナー  12.5点 or 25点/1回

・透析技術認定士学会・セミナー  5点 or 10点/1回 (地方会は対象にならない)

呼吸療法認定士は、5年間で2回、学会・セミナーに参加すれば更新条件を満たします

透析技術認定士は、委員会が定めた5つの母体学会学術集会に1回以上出席していることが条件であり、各都道府県セミナーは対象にならずポイント稼ぎが非常に困難です。

ワシは学会参加と称して全国各地に遊びに行けるやん!サイコー!と思ってたわい

*補足

それでも日々の業務が忙しくて、学会・セミナーに参加する暇なんてない!という方もいると思います。

そんな方のために、救済処置があることはご存じでしょうか?

実は、認定士に登録してから4年目と5年目の時に、「そろそろ更新ですけどポイント稼ぎは大丈夫ですか?」と試験を運営する認定委員会からハガキが来ます。

そのハガキにはなんと…

認定更新のための講習会(eラーニング)のご案内

と書いてあり、取得ポイントはなんと!

60点‼

これを一回受講すれば更新できるのです!

ですが、ハガキには「本講習会は認定更新に必要な点数が取得できていない方を対象としています。」と記載しており、受講料が12,000円で定員も4,000名とあります。

あくまで、更新点数が足りてない方を対象としているので、「救済処置があるから大丈夫!」と学会やセミナーに全く参加しないというのも良くないと思いますが…

更新や学会参加が大変そう…という理由で認定士受験を避けられている方は、この情報をきっかけに呼吸療法認定士を目指してもらいたいと思っています。

救済処置もあるから、もう少し気軽に受験してほしいのぅ