臨床工学技士をはじめ、医療職というのは普通の会社とは違って特殊な業界です
パワハラ・セクハラが起きやすいですし、働き方改革もガン無視の悪辣な労働環境が多いこともザラです
病院でリモートワーク・フレックス勤務なんて事務職の方くらいではないでしょうか
そんな中でも、自分のためや家族のために働かなくてはならないので、よりよい職場で働きたいと考えるのは普通のことです
そこで今回は、実体験を交えて臨床工学技士の転職について書いていこうと思います
・転職方法
パワハラが起きやすい理由
パワハラが起きやすい理由として、「顔触れが変わりにくい」ということがあります
一般的な会社では、主任→係長→課長→部長…と昇格します
ですが、病院では「上司が変わることがない」のです
臨床工学技士長・リハビリ科科長・放射線技士長など、技士長・科長以上のポジションがないのです
また一般的な会社では、営業から総務への異動、グループ会社では転勤などもあり、数年で上司が変わる可能性もあります
病院でも厚生病院などのグループ病院だと異動があります
しかし、基本的に我々のような特殊な専門性を持った職種は、「異動できる場所がない」のです
つまり、トップになってしまえば自ら辞めない限り、やりたい放題できるのです
さらに、臨床工学技士法が制定されたのが1987年なので、40~50代の方が技士長を務めているところが多いと思います 場所によっては30代が技士長の病院もあるらしいです
このように比較的若いうちに権力を手に入れて、自分は偉い!と勘違いした残念な人がパワハラを発生させるのです
よほど優秀じゃと技士長の任を解かれて、経営方面に抜擢される人もおるらしいが… そんな奴はパワハラ自体せんわい
限界だったら即行動
パワハラやいじめは自分では気が付かないことが多いです
「自分はまだ大丈夫」とか「これくらい他の人から比べたら…」なんて考えている時点で精神を病んでいます
そんな人が家族や友人に連れられて心療内科に行き、あなたは精神疾患ですと言われ驚くのです
私の実体験ですが、パワハラを社内の相談窓口や上層部に言っても揉み消されますので期待しないほうがいいでしょう
むしろ加害者にヒアリングをしたせいで、密告者の犯人探しや嫌がらせが加速します
また上層部も面倒なことは関わりたくないのと、自身の評価や監督責任を問われたりするので見て見ぬふりをします
そんな職場からは逃げるのみです
臨床工学技士の世界は狭く、バックレたりなどの不義理な退職をした人は転職が難しいなんて言われますが…
同じ市内とかでの再就職は厳しいかもですが、違う市町村や都道府県に行ってしまえば問題視されることは少ないですので安心してください
また、退職代行を利用してみるのも一つの手だと思います。
注意点としてはこちらのサイトにも書かれているように、悪質業者に引っかからないよう調べてから依頼しましょう
特に職場との交渉は弁護士資格が必須となるため、弁護士資格のない業者に頼むと違法のため無効となったり、追加で弁護士に依頼する必要が出てくる可能性があります
捨てる神あれば拾う神あり…あなたが輝ける職場はたくさんあるんじゃ
転職のきっかけ
転職のきっかけとしては人それぞれですが、「こんなことで転職してもいいのかな」とか思うかもしれません
周囲の人は「そんな理由で転職なんて」とか「今より収入が下がるかもしれないよ」と言いたい放題に言ってきますが、それで働き続けたあなたが精神を病んでも責任を取ってくれることはありません
某エゴイストストライカー育成漫画でこんなセリフがありました
「正しい選択をするんじゃなくて、選んだ道を正解にするんだ」
「んで最後に信じるのは理屈じゃなくて直感」
自分の人生がおもしろくなりそうと思える道を選ぶのじゃ
人間関係
転職のきっかけで一番多いのはこれではないでしょうか?
私も上司のパワハラが原因で転職したことがあります
部下が有給取るときは理由をしつこく問い詰めるのに、突然朝に電話してきて「今日有給取るからよろしく~」とか、暴力こそありませんでしたが暴言を吐いたり椅子を蹴り上げて威嚇したり最低な上司でした
あとは看護師と共謀して陰湿な嫌がらせをしてくるお局とかもいました
こんな奴らに関わって精神を病んでも誰も助けてくれません
絶対にその職場に居続けなければならない理由はありますか?
と自分自身に問いかけてください
精神疾患の診断をされると、ブラック企業しか採用をもらえなくなるわい
仕事内容
私の1回目の転職理由がこれになります
当時の私は、透析中心の病院に勤務しており毎日がルーティン業務でした
何年も変わらない仕事をしていると、「このままの仕事でいいのかな?」と疑問を持つようになりました
皆様は、「これが私の一生の仕事です!」と自信を持って言えますか?
私の答えはNOでした
透析の専門性を高めてみようと透析技術認定士を目指したりもしましたが、私は技士としてあらゆる業務ができるオールラウンドプレーヤーを目指して総合病院へ転職しました
総合病院では自分の希望通りに色々な業務が経験できましたが、予想以上に緊急呼び出しやイレギュラーな出来事が多く大変でした
ただ、多くの知見を得ることができたのはとても満足しています
技士長から「総合病院ではイレギュラーがレギュラーだ」という迷言を言われたわい
転職のタイミング
精神的に限界を迎えている場合は即刻脱出をお勧めしますが、そろそろ転職を考えているという方はタイミングにも気を付けましょう
タイミング次第では損をしたり、面倒なことになったりします
ボーナス支給後
やはりこれまで職場に耐えてきた対価としてボーナスは貰っておきたいところです
一般的には6月・12月が多いと思いますが、お勧めは12月のボーナス後です
まずは所属している職場の就業規則で支給条件を確認しましょう
多くは「支給日在籍」が支給条件だと思います
仮に12月15日に支給されるとして12月10日に転職のために退職したら、12月の給与は貰えてもボーナスは貰えない可能性があります
私は12月31日退職を推奨します
メリットは3つあります
・有給を使えば月の出勤日は少なくて済む
・有給中なのでボーナス支給日は在籍扱い
・面倒な年末調整を会社がやってくれる
しかしデメリットもあります
これはホワイト企業なら通用しますが、個人病院などでは通用しない時があります
退職の意志は3ヶ月前に申し出ることなどが就業規則に書かれている場合もあります
(民法上は2週間前に申し出ればよい&就業規則に法的効力はない)
この場合、12月退職のために9月に退職の意志を伝えるとボーナス減額もしくは無支給もあるかもしれません
個人病院は経営陣がやりたい放題なので、就業規則だから従え!とゴリ押してくるのじゃ
新年度に合わせて
もしあなたが務めている病院が個人経営のブラックでしたら、
私は3月31日退職を推奨します
メリットは3つあります
・ボーナスを確実にもらえる
・12月退職者の補充求人が多くなる
・新年度から勤務できる
この3月末退職のデメリットは、給料が安くて済む新卒と求人枠を争う必要があります
逆に既卒のみや随時面接などは、教育に余裕がなくて人の入れ替わりが激しいブラックの可能性が高いのじゃ
転職方法
さていよいよ辞めるとしても、可能なら転職先を見つけてから辞めましょう
私も辞めてから転職先を探したこともありましたが、いろいろと大変でした
多くの人は自己都合退職となると思いますが、失業保険をもらうためにいくつかの条件をクリアすることと、申請してから7日間+2ヶ月の間は無収入となります
その間に以下のものを払う必要があります
・国民年金へ切り替え&支払い
・健康保険の支払い
・住民税の支払い
人によって支払う金額は変わるが、かなりの金額が吹っ飛ぶので未来への不安しかなかったわい
このような点から可能であれば、面倒な手続きをやらなくて済むように転職先を見つけてから辞めることをお勧めしています
**************注意点************
県立病院や市立病院など公務員扱いの方は、高い退職金の代わりに失業保険受給条件の「雇用保険」に加入していないので失業保険を貰えない可能性があります
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コネ・転職会社・ハローワーク
転職先を見つける方法は色々ありますが、代表的なものを紹介していきます
・コネ
メリット:自分の性格や能力を紹介してもらえるので、職場に馴染めるかを評価しやすい
デメリット:職場に合わず辞める時に紹介者に迷惑をかける可能性がある
・転職会社
メリット:面倒な調整ややり取りを代行してくれる あらかじめ受験可能か調べてくれる
デメリット:内定が出たら転職オワハラをされることもある 担当者ガチャも多い
ハローワーク
メリット:無料で掲載できるので隠れた優良企業がある場合もある
デメリット:サポートは企業紹介のみ 多くは内定時に支払われる補助金目当てのブラック企業
お勧めするのはやはり「転職会社」です
基本的に登録は無料で、登録時に電話面談があります
そこでこれまでの経験や今後の希望を話すと、担当者が希望に合う求人を紹介してくれる仕組みです
さらには転職のプロなので、求人が出やすいタイミングや多寡、希望病院の内部情報まで教えてくれるのでブラックを引く可能性は低くなります
(求人者があまりにも来なくて「ウチを紹介してくれ!」とブラック企業から頼まれているかもですが…)
私が利用したのは「工学技士人材バンク」というメジャーな所でした
転職を考えている方は、情報収集が大事なので無料登録をしてプロの話を聞いてみると参考になると思います
出張のドクターに気に入られて、ドクターの勤務先に引き抜かれて転職…なんて者もおるらしいわい
30歳を超えてからは厳しくなるとこも多い
今は転職も当たり前になってきたので、世間で言われている「35歳転職限界説」などは間違いである!といったネット記事なども見かけるようになりました
しかしネット記事に騙されてはいけません
35歳でも転職できるのは、引く手あまたの能力・経験を持った一部の人間だけなのです
私の正直な感想では、「臨床工学技士は30歳を超えると自力での転職は厳しい」です
最初にも書きましたが、私たちは特殊な専門性を持った職種です
流動性がなく閉鎖的な職場になりがちなので、転職者を受け入れない空気が出来上がっている場合もあります
特に他所でバリバリ働いていました!という人が入ってきた場合、器の小さい技士長は「自分の地位が危なくなるのでは!?」と不安になります
また年上部下が入ってくると、新卒の方でも年下上司となるため「揉め事が増えるのではないか?」と嫌がる技士長もいます
その結果、パワハラだったりいじめにあってしまい精神を病んで退職→年齢と精神疾患のためブラック企業しか再就職できない→短期間離職という負のスパイラルに陥ります
時間もお金もかかり、メンタルもゴリゴリに削られる転職活動はハッキリ言って苦痛でしかありません
30歳を過ぎてからの転職は転職会社を活用して、効率的に活動することをお勧めします
お祈りメールがくるたびに、これまでの人生を否定されたような気になるんじゃ あれは辛いわい
最後に
今回は転職活動について書いてみました
臨床工学技士の特殊な職場環境や転職のタイミングなど私が思ったことなので、「全然そんなことはない!ウチの職場は最高だ!」と思った方もいると思います
それはそれで素晴らしいのでいいのですが、前職では当たり前だったことが転職先では驚かれたり、前職では知りえなかったことが転職先で分かることもあります
私は人間関係やパワハラなどの理由ではなく、できる業務を増やしたい・もっといろいろな経験をしてみたい!といった前向きな理由で皆様が転職できればいいなと思っております
転職は間違いなく人生の経験値を上げて人間として成長できるわい